気にしてミル第5回
「クリスマスマーケット in ヨーロッパ〜ヘルシンキ編〜後編」

2020.03.13渡辺羅須
前回のコラムを掲載した際に言われました。
いや、淡白すぎない?クリスマスマーケットだよ、もっと、こう、なんかあるでしょ、ディティールがさ。。。
うっさいなーホントにあんまり面白くなかったんだよー別にいいんじゃねーホントのことなんだからー。(関係者の皆様、大変失礼しました。)

さてさて、本番はここから。
ヘルシンキのクリスマスマーケットの続きを書きたいと思いますが、その前にフィンランドのデザインについて感じた事を少し。

北欧のデザインというとIKEAに代表されるような、無駄なものがなく、精錬されたシンプルなデザインを思い浮かべる人は多いと思います。

ですが私の感覚では少し違います。彼らは実は単にシンプルにまとめるだけでなく、遊び心を入れてくる印象なんです。
例えば建築分野になりますが、フィンランドを代表する建築家のアルヴァ・アアルトがデザインした住宅などは、一見すると無駄がなく綺麗に納まっているように見えるのですが、内部には曲線を多用していて、一見必要ないように思える部分に、芸を凝らしているように感じます。


正面に見える木の曲線で作っている模様とか、


この電気の曲線部分はなんだ、とか。
でもそれらが、柔らかさを作り出していることを感じるのは確かで。

また街を歩くと、女性はネックレスやブレスレットなどのアクセサリーを身につけている人が多いんですが、結構いろんなものつけてるなーという印象なんです。(ざっくりですみません…)

アクセに関しては、日本だと、遠くから見たら一緒やないかー、とか、これとこれがどう違うデザインなのか全然わからないぜ、と思うことが多いのですが(僕の見る目がないのかも…)、フィンランドの人は個性的なアクセサリーが多くて、無駄がないとかシンプル好きといった印象ではないです。

今回ご紹介するデザイン系のクリスマスマーケットでも、その傾向はありました。
全体的に、シンプルと言うより、遊び心満々!!

では見ていきましょう。「Ornamo Design Christmas 2019」。
会場はOrnamon Design Jouluという場所です。
まずは会場の様子から。




まずこの熱気がすごい。。。
文字通り老若男女、職業も雰囲気も全く違う人々が、これだけの人数集まるイベントを見た事がない、というくらいです。さすがデザイン大国かつインターナショナルな都市ヘルシンキだ!と、この時強く感じました。
それにヘルシンキ滞在中は基本的に全て英語が通じました。これって実は(公用語が英語の国は除くと)ヨーロッパでもそんなにないことで、教育水準の高さも感じました。

さて、各ショップを見てみましょう。


きれい!!なんだけど、よく見るとこなんじゃこりゃ…?
思わず用途を聞いてしまいそうになる形。
色使いも、普通のようでいて微妙な色合いを醸し出してる。



陶器で作ったバケツね、可愛いなーと思ってたら取手がコルクだったり、エイジングみたいな加工もされてるし。普通に作れないのか?!え?普通ってなんのこと?
全体にすごく凝ってる。装飾も手法も。



おおーアクセが個性的!
柄の色使いがすご!と思ったら、日本の着物の端布だった!

もっとたくさんご紹介したいのですが、(参加店舗は200以上)長くなってしまったのでこのへんで。
ただの奇抜さではない、センスの良さや凝ったディティール、手法のバラエティにあふれていて、クリスマスマーケットならデザイン系に行け!と言ってもいい。

これだけ遊んでいるデザインが多いのは、シンプルなデザインばかりでは冬の長さに耐えられないから? 冬が長いからついいろいろ凝っちゃうから? つまりは遊び心がないと人は生きていけないんだよなー。生活の中の「生(なま)」な手触りを感じました。

北欧デザイン、シンプルって言ったの誰だよ(笑)と言ったところで、フィンランド編は終わりです。次回の国はどこでしょうか。

今日はここまで。

渡辺羅須
1993年、東京都生まれ。好きな食べ物は納豆。好きな動物は猫。スポーツは大体好き。小学校~高校まではバスケをしてた。マイブームは建築。口内炎ができやすいのが悩み。