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なぜ会ったことのない有名人に「さん」をつけてしまうのか、未だに疑問です。俳優などは浅野忠信、オダギリジョーと呼び捨てなのに、建築家はほとんど全て「さん」をつけてしまいます。でも法則性もあって、存命の方だけなのです。磯崎新さん、青木淳さんなのに、丹下健三とすでになくなって歴史の教科書に載っているような人は呼び捨てになります。
パリの現代美術館〈ブルス・ドゥ・コメルス〉にいきました。現代アートコレクターのフランソワ・ピノーが蒐集した多様な作品に出会える美術館です。建物自体は18世紀には穀物取引場、1889年のパリ万博でガラスのドーム部分を加え、19世紀末からは商品取引所となり、21世紀になって、デジタル化で役目を終えたという建物をリノベーションするというプロジェクト。
また設計チームは当時、日本の安藤忠雄事務所、パリの建築事務所NeM、歴史的建造物の修繕を専門とする遺産建築家というチーム編成からも、このプロジェクトの意気込みを感じました。
中に入ると古代建築のような重厚感がある一方で、回廊のように建物を歩いていると軽やかな、ニヤッとしてしまうような建物の雰囲気とは違う作品から、皮肉がバッチリ効いたグサッとささるような作品まで、全体的に美術館として非常に見応えがありました。
また通常は建物は作品を飾る空間なのですが、建物が作品のように感じる部分もありました。バチバチとした光と陰の使い方と空間構成は安藤さんらしいものがありました。
ディテールで気になるところはいくつかありましたが、パリの新しいランドマークになるであろう建築をこの年になっても作る安藤さんは流石だなと感じます。
なぜ「さん」を使うのか全く解消されませんでしたが、実際に本人に会った時に間違えて呼び捨てしないと言うメリットもあるので、これで良しにします。
安藤忠雄さん、良い仕事してました。
今日はここまで。
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