私の中の岡村孝子 第1回
「近頃なぜか、岡村孝子。」

2019.02.02高島 亮三
私の中の岡村孝子 第1回「近頃なぜか、岡村孝子。」

初めまして、美術家の高島亮三(46)と申します。…そう言われても、誰もご存知ないことでしょう。そうですね、どんな作品を作っているかといえば、例えば、サイコロを寄せ集めてサイコロを作るとか。

例えば、折り紙で爆弾を1000個分折って、千羽鶴よろしく吊るすとか。

まあ、こんな調子です。
無名の美術家ゆえ、その活動自体では無収入。つーか、ひたすら散財中。これでは到底食べていけてないので、世を偲ぶ仮の姿としてグラフィックデザインを生業(なりわい)としています。グラフィック方面での代表作は「家の中の家 カカポ」のロゴやキャラデザイン。イイ仕事してますネ。…そういったご縁もあり、このたびカカポのホームページ内にコラムを書かせてもらうことになりました。

さて、コラムの執筆を引き受けたものの、実際のところ何を書けば良いのやら。そんな折、編集さんから「高島さんが日常的に好きな事や気になる事を書いてくれれば、それでOK!」と、助言をいただいた次第。好きな事といえば、路傍の石拾い・コケ鑑賞・ミニ四駆などなど。そして、ここ数年は四半世紀も遅ればせながら岡村孝子にかなりハマってたりして。(こういった場でこういう事を公言するのは、なかなか恥ずかしいですネ…)

岡村孝子 1988年「SOLEIL」ポスターより一部引用

岡村孝子、1988年当時。これはヤバい。ハイスペックなシンガーソングライターにして、且つこの美貌。天は二物を与えてしまったワケです。それでは、私が今頃になってなぜ岡村孝子にハマったのか、そのプロセスを熱烈に執筆するコラム「私の中の岡村孝子」の始まり始まり~

…と言いたいところですが「それはちょっと、全然空間をめぐっていないんですけど!」と編集さんから再度の助言が。…残念ではありますが、それはまた別の機会に譲ることにしましょう。

そういえば、一番大事なことを忘れていました。冒頭に申し上げたように、私がグラフィックデザイナーというのは世を偲ぶ仮の姿。収入になろうがなるまいが、熱い心の内に秘める生き様はバリバリの美術家であります。ならば一番好きな事・気になる事は「美術」一択のはず。岡村孝子とか言っている場合じゃないって。改めて美術に思いを巡らせば、私の過去の作品の中で、執拗に「小屋」をモチーフにした作品群を数年に渡って発表していた時期があったことを思い出しました!

これは「犬小屋の住人」いう2004年に発表した作品。いやはや懐かしい。この流れで「家の中の家 カカポ」と連動するコラムテーマを引っ張り出したいと思います。

この「小屋」シリーズ、当初は「犬小屋を散歩させる。」といったたわいのない「見立て」の発想から始まった行動系の作品でしたが、その制作過程で「なぜ犬小屋は『大草原の小さな家』に出てくるような切妻屋根なのか?」といった素朴な疑問や、日本で犬小屋が広まった経緯(犬はもともと番犬として日本家屋の縁の下などで飼われていた。)などに興味がわき、そこに戦後の住環境におけるアメリカン・カルチャーの影響を感じとりながら作品製作を展開。徐々に「小屋」というモチーフの捉え方が自分の中で整理されていきました。そのような「小屋」に関する独自の考察や、それに基づき制作した一連の作品を介ながら、以後の本コラムを進めていければ。

では、やっと本題に…と言いたいところですが、残念ながら今回の紙面が尽きてしまいした。次回以降は「私の中の岡村孝子」改め「美術の中の家」と題し、「カカポ」の「住」へのアプローチとはまた一味違う、「美術」方面からの「住」に関する無駄なエネルギーの発露を、皆さんにご紹介していきます。しばらくの間、よろしくお付き合いください。次回は「犬小屋の散歩(ケンネル・ウォーク)/渋谷編」です。

高島 亮三
高島亮三(たかしまりょうぞう、1972年8月4日~)は、日本の美術家。東京都保谷市(現・西東京市)出身。趣味は、路傍の石採取・コケ鑑賞・ミニ四駆・岡村孝子など。第4級アマチュア無線技士。