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気にしてミルは「何気なく見てしまうものを気をつけてみる」というテーマで書いていきます。
普段何気なく見て、それが普通だと思ってる事を気にして見る事で新しい感覚と出会う事を目的にしている人が書いているコラムです。
今回はイタリアのベローナという街にある美術館のお話です。
Part1では美術館の魅力を、Part2ではなぜそれが魅力に感じたのかを細かい視点で見てみます。
長靴の形で有名なイタリアの、足が一番最初に入る辺り、ミラノとヴェネチアの間にベローナはあります。
ロミオとジュリエットの街としても有名ですが、街の魅力は川に囲まれたその地形にあります。
この日は晴れており、美しい町並みを見る事ができました。
中世の町並みにローマ遺跡が残る旧市街地は市街地全体が世界遺産に登録されています。
しかし今回の目的は町並みではなく、カステルバッキオ美術館という建築です。
この美術館を訪れた知人が口を揃えて一度は行った方が良いと言うので学生の頃から気になっており、3年越しに行くことが叶いました。
カステルバッキオとはイタリア語で古城と言う意味です。
つまり日本語で言う古城美術館といった感じでしょうか。
1300年代に要塞として建てられ、1900年代初頭に美術館として活用され始め
1964年にカルロスカルパと言う建築家によって改修されました。
このカルロスカルパの改修が素晴らしく、その後世界的に有名な建築として今では多くの観光客が賑わう場所となりました。
また彼は1906〜1972年までの間に多くの建物の改修を扱っており、そのどれもが素材への感性豊かなアプローチが評価されています。さらに亡くなった場所が仙台と言う事もあり日本の建築家の中では親しみがあります。
交通量の多い道路を渡ると川に面して建てられた煉瓦の建築が目に入ります。
敷地の中にロの字に建物が配置され、大きな中庭があります。
西洋の城のタイプとしては珍しい形ではないのですが、内部に入ると全く違う空間が広がっています。
ほぼ8m四方の5室の展示室は、半円アーチの分厚い壁で分割されています。
また壁に当たる光が美しく、その近くにある彫刻は一層強い魅力を感じました。
さらに進んで行くと屋外の展示場に出てきます。
独特な造形と素材感が一層強まる印象です。
美術館の全ての部屋を扱うと10本分に相当するコラムになってしまうので、今回は最初の彫刻の部屋のみを扱います。
次回はこの魅力がなんなのかを考察していきたいと思います。
今日はここまで