日本経済新聞 2018年8月31日付け神奈川版に掲載されました

2018.11.20cacapo編集部
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観葉植物や雑貨販売のアートハウス(神奈川県厚木市)は年内に災害時の避難所で使う組み立て式の段ボールハウスの販売を始める。避難所生活でもプライベート空間を確保できるのが特徴だ。自治体向けに売り込み、避難所に指定されている体育館や公民館に備蓄してもらう。3年間で累計10億円の売り上げを目指す。

商品名は「カカポ」。骨組みとなる高強度の紙管を、ジョイントと呼ばれるプラスチック製の接合パーツを用いて組み立て、ダンボールにはめ込めば完成する。工具は一切使わない。組み立てにかかる時間は大体30分前後という。ほかの段ボールハウスに比べ耐久性があり、繰り返し使える。

紙管やジョイントをまとめた「お泊まりハウスキット」での販売が中心となる。幅が2.5メートル、奥行きが1.5メートル、高さが1.8メートル。価格は数万円に設定する。紙管やジョイントはばら売りし、利用人数や避難所の規模に合わせて段ボールハウスの大きさを柔軟に変えられるようにする。

既に静岡県内の自治体などと販売交渉を進めている。基本的には災害が発生する前に備蓄してもらうようにする。1つの体育館につきキットを数十セットまとめて販売していく予定だ。西日本豪雨や東日本大震災など災害時の避難所生活では、被災者のプライベート空間の確保が課題となっていた。

自治体向けに先行して、9月4日からは一般向けに小さいサイズの段ボールハウスを販売する。「自宅に子ども向けの部屋がつくれないが、勉強に集中できるスペースが欲しい」などといった需要を取り込む。3種類のキットをそろえ、価格は1万8000円から3万5000円(税別)、自社のホームページやホームセンターなどで扱う。

(2018年8月31日 日本経済新聞より)

cacapo編集部
「家の中の家 カカポ」の企画部による、空間を遊ぶウェブマガジン「CACAPO」の編集部。少人数精鋭。ダンボールと紙管の山に囲まれて日々仕事に励む。年齢はフットワークで決まるがモットー(なのか?)。