それはさむ〜い風の吹く、冬のある日のことじゃった。
三年寝太郎ことスタッフのひとりは、やっとタプタプとした眠りから覚めて、チャリチャリと通勤し、ゴソゴソと事務所で作業を始めたところじゃった。
いや三年というのはかなり盛ったかもしれん。
さすがにそんなには寝ておらん。
じゃが、眠っても眠っても、冬の朝のオフトン様は起きようとする者の首根っこをつかんで、暖かいねぐらに引き戻すのじゃ。
おそろしやおそろしや。
それはさておき。
今日は何としてもカカポの新企画を考えねばならん。
じゃが事務所の中は、カカポの部材やワークショップで使ったものや工具や何やらが山積して、せせこましくてかなわん。
「これでは仕事にならん!」
寝太郎はむっくり立ち上がり、のっそりのっそり山に登り巨大な岩を転がして…
いや違った。
のっそりのっそり紙管とジョイントを繋ぎ、壁に沿って巨大な棚を組み上げた。
おかげで部材はだいぶ片付き、寝太郎の仕事はたんとはかがいったと。
とっぴんぱらりのぷう