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ドイツでそろばんの先生をしているユキグチです。
前回はドイツのインターナショナルスクールをご紹介しました。
今回はドイツとはお隣の国、オランダの学校。それも最近日本でも認知度の上がってきた、モンテッソーリ教育の学校です。
モンテッソーリと言えば、いまはときめく将棋界のプリンス、藤井聡太さんや
Googleの創業者ラリー・ペイジ氏に、Amazonのジェフ・ベゾスなどなどスーパースター達を輩出していることで話題になりましたよね。
今回改めて調べてみたら、オバマ前大統領やイギリス王室のウィリアム王子やヘンリー王子もモンテッソーリなんだそう。
数えたらキリがない・・・
「一体なにがすごいの?」「実際の学校の中はどうなっているの?」
という方のために、わたしが見学したオランダのハーグ市にあるモンテッソーリ小学校をご紹介します。
そもそもモンテッソーリ教育は、医師だったマリア・モンテッソーリ博士が考案した教育法。「子どもには、自分を育てる力が備わっている」という考えが大前提になっているのだとか。
モンテッソーリ教育の特徴の中で、今回は2点、詳しくご紹介します。
ひとつめは「子どもは、学校の中でそれぞれが自分の興味に従って、”おしごと”をこなす」
“おしごと”って聞くと、ちょっと固いイメージがありますが、
「本を読む」ことや「ハサミを使って作品をつくる」なんて事を指します。
社会に出ると、上司から言われたタスクに自分なりのアプローチで取り組むことが必要になりますよね。それに近いのかもしれません。
そして一番重要なことは、毎回自分のタスクを子ども自身で決めるということ。
先生や親に「これをやりなさい!」って言われて学ぶわけではなく、自分の興味や自分に何が必要かを考えて選択させることで自主性を育むのだとか。
小学校なのに、会社にいるサラリーマンのような動きですね。
2点目の特徴は教材に関して。
モンテッソーリって聞くと、「教室に砂場がある(!?)」みたいなイメージを持っている方もいらっしゃると思いますが、まさにその通り。
子どもがさまざまな興味を持つように、教室には教材やおもちゃなどがそこら中にあります。砂場のそのひとつ。
教材に関しては、モンテッソーリ教育の提唱者でもあるモンテッソーリ博士が手作りで作ったものをベースに、今も世界中に広がっているのだとか。
教室内では飽き足らず、廊下で結構本格的におままごとをしていることもしばしば(笑)。
とは言え、こんな光景も幼稚園〜小学校低学年までで、高学年にもなれば卒業後の進路のための”勉強”も必要。
ということで、いわゆる学校っぽい風景になります。
でもそこはモンテッソーリ。日本のように先生が板書してそれをノートに取って・・・
という事ではなく、自分に必要な学習を自分で管理して進めていくのは、高学年になっても同じ。
質問があれば先生に聞くこともできるようです。
これはもはや都度上司に指示を仰ぐ小さいサラリーマンですね笑
そうそう、モンテッソーリの小学校で印象的だったのが廊下で見つけた椅子。
よく見るとなんと、ペダルがついてる・・・!
ちょうどその椅子に座って自習している女の子がいたので聞いてみたらー
「いつも暗記するときや、ノートをまとめる時はペダル漕ぎながら進めているの。」
実はこれ科学的にも良いそうで、「シンクロマッスル学習」って呼ぶそう(笑)
シンクロマッスルってなかなかのパワーワード!
とくに暗記する際に運動すると身体の血流が良くなり、記憶が定着しやすくなるのだとか。
もちろん全てのモンテッソーリの学校にあるわけではないと思いますが、こういう科学的に良いとされるものをどんどん取り入れるのはオランダ人らしい。
昔の小学校にあった(!?)二宮金次郎も、そういえば、薪を背負いながら歩いて本読んでますよね。あれ実は歴史の年号とか暗記してたのかな・・・
ということで、今回はモンテッソーリの小学校をご紹介しました。
次回は同じくオランダのイエナプランの学校を紹介しようかな。
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