建物をデザインする建築士
建物をデザインするのが建築士の仕事ですが、建物の形をデザインするだけでなく、形に表れない、生活の部分のデザインもしています。
建築士の事務所でバイトをしているときに「ここ20mm高くしよう。その方がワクワクする」と言った建築士の方がいました。寸法を少し変化させる事で、中にいる人のワクワク感を作れるのか!と驚きました。
ダイニングとキッチンの距離感でデザインされる食事の空間(家族の距離感)、扉の重さでデザインされる次の部屋(空間)への期待感など、建築士の仕事は、空間で起こる出来事を想像(妄想に近い)する仕事でもあります。こうして少し後ろ向きなコラムを2本書いた後でも魅力的に感じるほど、奥が深く面白い仕事だと思います。
変化の具体化
ですが住人側の視点からみると、建築ができるまでにはたくさんの打ち合わせをして、なるべく自分の希望に合ったものを作ってもらうわけですが、いざ完成して住んだ後に、趣味や習慣、場合によっては家族構成などが変わる事があります。でも建築は簡単には形を変えられません。これが建築士と住人の間のギャップではないかと思います。
ただ、変化を細分化して、デザインする時に(使用する前)に生かせる方法があるのではないか、その方法を探してみました。実際に起こりうる変化の理由の場合分けと、その変化を起こす方法の細分化です。
実際には変化の理由を場合分けする事は「まだ」できていません。ただ、変化を起こす方法は、大きく分けて以下のように分類できると考えました。
1. ものの移動による変化 (ものはそのまま、位置だけが変わる)
2. 自分で何かを作る、壊す変化 ( 購入、製作、DIYなどはこの分類に入る )
3. 業者などを呼んで起こす変化 ( 具体的に既存の素材ごと変えてしまうような大きな変化 )
自分で作れる範囲の拡張
目をつけたのは2.の部分です。
ただ、テレビのDIY番組のようなDIYはハードルが高いです。必要な道具の選び方、使い方などは情報を集めるだけでも難しく、加えてケガの危険性が高いので、「DIYでおうち丸ごとリフォーム!」をするのはお勧めできません。(法規的にも申請が必要です。)一方でIKEAのような組み立て家具ではできる事が限られています。
その中間、IKEAの組み立て家具のように簡単だけど、なるべく3.に近づけていく。 使う側が建築を使っている時に起こる変化を、ある一定のシステムの中で解決できるようなものが作れないか? と考えています。
それが後にカカポの設計に繋がってきます。
まとめ
またうまくまとまらなかったです。。。
自分の今の言語化能力や、デザインの経験などを考えれば仕方ないと開き直ってもいます。
建築士として建築を面白くしていくのではなく、使用する側から建築を面白くしていこうと決めたので、建築士から離れようと思った、そんな理解をしていただければと思います。
これで建築士の話を終わります。
今日はここまで
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2021-01-15 | 空間をめぐるクロストーク
建築士から離れようと思った話 ②
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2020-12-29 | 空間をめぐるクロストーク
建築士から離れようと思った話 ①