建築士から離れようと思った話③

2021.04.12渡辺羅須
建築士から離れようと思った話③
冒頭から余談ではありますが、文章を書くと自分が考えている事が普段どれだけ具体性に欠けていて主語や述語が抜けているのかを理解できるような気がします。先日ある映画を見ている時に、「Interesting(興味深い)」という言葉の使用を禁止するっという学校がありました。興味深い取り組みですね。さて、話を建築士に。

建物をデザインする建築士

建物をデザインするのが建築士の仕事ですが、建物の形をデザインするだけでなく、形に表れない、生活の部分のデザインもしています。
建築士の事務所でバイトをしているときに「ここ20mm高くしよう。その方がワクワクする」と言った建築士の方がいました。寸法を少し変化させる事で、中にいる人のワクワク感を作れるのか!と驚きました。
ダイニングとキッチンの距離感でデザインされる食事の空間(家族の距離感)、扉の重さでデザインされる次の部屋(空間)への期待感など、建築士の仕事は、空間で起こる出来事を想像(妄想に近い)する仕事でもあります。こうして少し後ろ向きなコラムを2本書いた後でも魅力的に感じるほど、奥が深く面白い仕事だと思います。

変化の具体化

ですが住人側の視点からみると、建築ができるまでにはたくさんの打ち合わせをして、なるべく自分の希望に合ったものを作ってもらうわけですが、いざ完成して住んだ後に、趣味や習慣、場合によっては家族構成などが変わる事があります。でも建築は簡単には形を変えられません。これが建築士と住人の間のギャップではないかと思います。

ただ、変化を細分化して、デザインする時に(使用する前)に生かせる方法があるのではないか、その方法を探してみました。実際に起こりうる変化の理由の場合分けと、その変化を起こす方法の細分化です。
実際には変化の理由を場合分けする事は「まだ」できていません。ただ、変化を起こす方法は、大きく分けて以下のように分類できると考えました。

1. ものの移動による変化 (ものはそのまま、位置だけが変わる)
2. 自分で何かを作る、壊す変化 ( 購入、製作、DIYなどはこの分類に入る )
3. 業者などを呼んで起こす変化 ( 具体的に既存の素材ごと変えてしまうような大きな変化 )

自分で作れる範囲の拡張

目をつけたのは2.の部分です。
ただ、テレビのDIY番組のようなDIYはハードルが高いです。必要な道具の選び方、使い方などは情報を集めるだけでも難しく、加えてケガの危険性が高いので、「DIYでおうち丸ごとリフォーム!」をするのはお勧めできません。(法規的にも申請が必要です。)一方でIKEAのような組み立て家具ではできる事が限られています。

その中間、IKEAの組み立て家具のように簡単だけど、なるべく3.に近づけていく。 使う側が建築を使っている時に起こる変化を、ある一定のシステムの中で解決できるようなものが作れないか? と考えています。
それが後にカカポの設計に繋がってきます。

まとめ

またうまくまとまらなかったです。。。
自分の今の言語化能力や、デザインの経験などを考えれば仕方ないと開き直ってもいます。
建築士として建築を面白くしていくのではなく、使用する側から建築を面白くしていこうと決めたので、建築士から離れようと思った、そんな理解をしていただければと思います。
これで建築士の話を終わります。

今日はここまで

渡辺羅須
1993年、東京都生まれ。好きな食べ物は納豆。好きな動物は猫。スポーツは大体好き。小学校~高校まではバスケをしてた。マイブームは建築。口内炎ができやすいのが悩み。