カカポの武者修行
番外 「type.Eについて〜前編〜」

2019.12.14渡辺羅須
カカポの武者修行 番外 「type.Eについて〜前編〜」

さてさてクリスマスですな。。。
ドイツのクリスマス事情もご案内したいところなんですが、今回は前回お約束したミッションが!

前回(カカポの武者修行第三回)触れたように、今回は新しいキットである、
「typeE」のことについてご説明したいと思います。

typeEの「E」は Education のE。
そしてこのタイプが他のタイプと違うところは、「最終的な形が定まっていない」ということです。
内容物は以下の写真の通り。

部材一覧

600mm × 6本
430mm × 7本
280mm × 9本
130mm × 21本
5本足ジョイント × 20個
1本足 × 6個
蝶番ジョイント × 14個

この部材を使って、こどもたちは自由に発想のおもむくままに、作りたいものを作ります。
ある時は家を、ある時はビルを、ある時にはただただ高い柱や横に長く伸びた広い壁を。

ぱっと見には、具体的な形がなく、何の形かはわからないものを作るこどもたちも多いのですが、作った本人達には、それぞれ自分の物語(ストーリー)があります。
そのストーリーが展開していくのをずっと聞いていくとき、彼らの想像力にはいつも驚かされます。
絵を描くのと同じような感覚で建築を作っている、そんなイメージでしょうか。

紙管の長さの関係性は、以下の図のようになっています。

60Cmの長さを基本として、1/2、1/3、1/4などの倍数によって構成されています。
(図中の、ダンボール色の紙管の間の緑色の5leg ,1legは、それぞれ5本足と1本足のジョイント、60などの数字は、単位cmで紙管の長さ)
部材の数をあえて中途半端な数にする事で、さまざまな長さを組み合わせなければ安定した形にならないようにしています。
たとえば立方体を作るには、60cmの紙管のみでは数が足りないので、43cmと13cmなどを組み合わせることになります。このように試行錯誤することで、遊びながら数学的な思考を養うことができるのではないかと期待しています。

家型の完成形


さて本題。
数学的な思考を養うと言いましたが、そのような玩具は既にたくさんあります。
ではなぜカカポtypeEが期待されるのか?

その理由は大きく分けると以下の3点です。

①ダイナミックに組み立てる
②他の玩具、家具との親和性
③コミュニケーション能力が養われる

①.ダイナミックに組み立てる
カカポなら、自分が入ることができる程の大きさのものを、簡単に作ることができます。
このダイナミックさというのは、他の玩具ではなかなか体験できないことでしょう。
自分が入る大きさのものを組み立てようとすることで、自分の身体の感覚、部屋の物理的な広さなどを感覚的につかむなど、空間把握能力を養うことができます。

②.他の玩具、家具との親和性
家のような形を作って、近くにある椅子や机を入れ、布を垂らして本当の家のようにしてみたり、電車のオモチャを使ってジオラマを作ってみたり。
単純なごっこ遊びで終わらず、物の特性を利用して複数のものを組み合わせて遊ぶというような、とても高度な遊びをする機会になります。
また作ったものは、自分だけの物語を持っています。「ここには何がいて、ここは座るところだよ」「おじいちゃんが住めるように、段差をなくしたの」など、それぞれのこだわりを感じます。
他の玩具との親和性は、さまざまなものを組み合わせるクリエイティビティを学ぶきっかけになります。

さて最後の③コミュニケーション能力が養われることに関しては。。。。
また次回!!!

お楽しみに!!!

渡辺羅須
1993年、東京都生まれ。好きな食べ物は納豆。好きな動物は猫。スポーツは大体好き。小学校~高校まではバスケをしてた。マイブームは建築。口内炎ができやすいのが悩み。