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「形態は機能に従う」ルイス・サリヴァン(1856-1924) / アメリカ
や
「芸術は必要にのみ従う」オットーワグナー / 1841-1918)/オーストリア
に加えて
「装飾は犯罪である」アドルフロース (1870年 – 1933) / オーストリア
など1800年代後半から1900年代前半まで合理主義的な建築が大きな流れとなっていた時代がありました。所謂、モダニズム建築です。(本質的には若干違うと私は認識していますが、便宜上今回はそのように言います。)
この流れは現代にも残っており、多くの建築家やデザイン、土木やインフラに至るまで、ありとあらゆる場面で「合理性」によって作られたデザインを見ているし、使っていて、また考えてもいます。例外なく全人類がだと思います。この「合理性」という考え方の強さは尋常ではないと強く感じています。
フランス南部のマルセイユという街でMuCEM(Musée des civilisations de l’Europe et de la Mediterranee)という美術館を見に行きました。設計はフランスの建築家ルディ・リコッティ(Rudy Ricciotti)です。
結論から言えば外壁のデザインが合理性からは大きく外れているように感じました。一見すると複雑な構造計算の上で作られたデザインのなのかなっと思いきや、、、
繋がってないやん、、、
これで完全に構造とは関係ないと証明されました。
それにしても、隙間から見える景色がなんとも美しく、マルセイユの海の豊かさと、要塞などを残している町の歴史も感じられて、素晴らしいと思いました。合理性のかけらもない装飾的な外壁が落とす影は森の中のような、それでいて水中に入っているときに感じる光のような、物が抽象的になるように感じました。
結論としては、この建築に人間的な合理性を感じました。
建築における合理性は一般的には物理的・経済的な観点から語られる事が多いです。一方で人間の心情としての合理性も持ち合わせる事も必要です。材料的には不合理だけどこれを使おう、空間的には不合理だけど壁は斜めにしよう、など不合理とわかっていながら選択する場面があります。それは美しさや強さなど、数値にならない、でも心情的には合理性がある選択をしているのだと思います。物理的・経済的な「合理性」に対抗する、人間的な「合理性」の重要性を改めて感じる建築となりました。
今日はここまで。
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